平和監視時計を除幕 原爆資料館
最後の核実験からの経過日数などを示す「地球平和監視時計」
が、広島市中区の原爆資料館東館の一階に設置され、六日、除幕式
があった=写真。
修道高の卒業生らでつくる特定非営利法人(NPО法人)「広島
からの地球平和監視を考える会」(畠真実理事長)が設置した。
除幕式には会員ら約百人が参加。会員の八代真旭さん(16)、正成
さん(10)の姉弟らが引き綱を引くと、高さ三・一メートルの大理石
製の時計が姿を現し、集まった人たちから拍手が起きた。
現在の時刻を示すアナログ表示の下に、広島への原爆投下からの
日数「20454」と、昨年十二月に米国が実施した臨界前核実験
からの日数「234」を上下に並べてデジタル表示している。今
後、核実験が実施されると下段の日数がリセットされ、0に戻る。
時計を発案した同会の土井淳夫事務局長(57)=佐伯区=は「平和
の監視は今日から始まったばかり。二つの日数を見ながら、核兵器
のない世界の実現に気持ちを新たにしたい」と話していた。
世界の子どもの平和像を除幕
広島市の高校生たちが、街頭募金で七百万円を集めて建立した
「世界の子どもの平和像」が六日、中区の広島市民球場前で除幕さ
れた。被爆体験の継承が課題となるなか、若い世代が力を合わせ
て、平和の願いを発信する。
テーマは「親子愛」。手をつないだ二人の大人と、駆け寄る子ど
もの姿をイメージした大小二体の像で構成されている。
除幕式には、建設委員会に加わった中学、高校生たち約三百人が
参加。南区西蟹屋、崇徳高三年寺岡順平君(17)が「次世代に被爆体
験を語り継ぎ、核廃絶を訴えよう」と呼び掛け、八人で除幕した。
建立運動は、「原爆の子の像」の姉妹像を作った米国の小学生た
ちが一九九六年、「世界に平和像の建立を」と訴えたのが発端。広
島市内でも九八年から、高校生たちが建立のための街頭募金を始め
た。
今年四月から運動に加わった大竹市玖波、安田女子高一年吉田文
香さん(16)は「『平和って何だろう』と思って参加した。自分で行
動して実現させるものだと感じました」と話していた。
【写真説明】高校生たちの手で除幕された「世界の子どもの平和像」
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