水を求めて亡くなった原爆犠牲者を弔う灯ろう流しが六日夜、爆
心地に近い広島市中区の元安川などであった。核のない世紀への祈
りを込めて流された約一万個のともしびが、川面を彩った。
今年は、福岡県星野村で保存されていた原爆投下後の焼け跡の残
り火を持ち返り、ろうそくに点火した。年老いた遺族や家族連れ、
世界平和連帯都市市長会議の出席者などが次々に訪れ、静かに灯ろ
うを浮べていた。
黒い雨を浴びたという夫を昨年十月に亡くした南区の小川千鶴子
さん(66)は「三十五年前に結婚して広島に来ましたが、灯ろう流し
に来たのは初めて。夫の思い出がこみ上げてきます」と手を合わせ
ていた。
【写真説明】元安川の護岸から灯ろうを流す子どもたち(6日午後7時40分)
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