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ヒロシマに鎮魂の調べ響く '01/8/7

人間国宝の島原さん指揮 平和祈り尺八響く

 人間国宝で、広島市名誉市民の尺八奏者島原帆山さん(99)=東区 =と門下生七十人が、夕暮れの原爆慰霊碑前で、島原さんが平和へ の祈りを込めて作曲した「平和の山河」を初めてささげた。

 一分間の黙とうの後、島原さんが前を見据え、力強く指揮棒を振 り始めると、尺八の幻想的な音色が鳴り響いた。若者やお年寄り、 外国人観光客などが次々に足を止めて、演奏に耳を傾けた。

 西区の無職稲葉律子さん(62)は「心に染み渡る演奏で、原爆で亡 くなった祖母の供養になりました」と最前列で聞き入った。島原さ んは「平和でなけりゃいけん、そう思いながら指揮をした。新世紀 の原爆の日に、長年の思いを達成でき、大満足」と感慨深そうだっ た。

【写真説明】原爆慰霊碑前で、平和への祈りを込めて演奏する島原さん(手前)と門下生たち


秋吉敏子さん「ヒロシマ」に希望の調べ

 米国で活躍するジャズピアニストで作曲家の秋吉敏子が六日夜、 広島市中区の広島厚生年金会館で、新曲「ヒロシマ―そして終焉 (しゅうえん)から」を初めて演奏した。核兵器のない二十一世紀 を願う希望の調べに、約千二百人が酔いしれた。

 自らのジャズオーケストラを率いての演奏。不安をかきたてるよ うなリズムの「無益な悲劇」と題した第一楽章で幕開け。客演のジ ョージ川口が、荒れ狂うようなドラムで被爆の瞬間を力強く描写し た。

 高校生による被爆者の手記の朗読も交えて曲はクライマックス へ。最終章「希望」は、サックス中心の緩やかな旋律が廃虚の中か ら再び歩み始める人類を表現した。

 演奏を終えた秋吉は「8・6の日に記念碑的な作品を発表でき、 感無量」と話した。

【写真説明】ヒロシマにささげる新曲を披露した秋吉敏子のコンサート


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