「人類が21世紀を生きのびるために―人類と科学技術の和解を目
指して」をテーマに第五回世界平和連帯都市市長会議が四日、広島
市中区の広島国際会議場で開幕した。九日までの六日間、広島、長
崎の両被爆地で、核兵器のない平和な世界実現に向け、都市や市民
の役割を議論する。
参加したのは、海外二十八カ国の六十三都市、非政府組織(NG
O)二団体と、国内の四十四自治体の合わせて約二百二十人。今回
から会議がすべて一般公開され、四百人近い市民も参加した。
開会式では、連帯都市市長会議の会長を務める秋葉忠利広島市長
が「二十世紀は戦争の時代だった。二十一世紀は平和と人道の世紀
にしたい。そのため、都市が重要な役割を期待されていることを忘
れてはならない」と英語であいさつ。
森嶋通夫ロンドン大名誉教授が特別講演し、「二十一世紀は、民
族国家の利益を超え、地球を守るための行動を取らないといけな
い」と地球全体を考えて行動するよう呼びかけた。
開会式の後、参加者は原爆資料館を見学、人類史上初の原爆被害
の実情に触れ、核兵器廃絶への思いを新たにしていた。原爆慰霊碑
にも花を手向け、犠牲者のめい福を祈った。
会議の一般公開などを通じ、市民参加の拡大を目指す点が今回の
特徴の一つ。地元の国際貢献NGO八団体は三日間、会場にブース
を設置。活動の様子を写真やビデオで海外参加者らに紹介する。
【写真説明】連帯都市市長会議開会式で折り鶴が飾られたステージに立つ秋葉市長(中央)たち
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