被爆医師が「語り継ぐ夏」英語版出版

'00/7/28

 核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部理事の内科医碓 井静照さん(63)=広島市東区牛田本町四丁目=が、被爆体験や海外 での医療支援活動などを振り返り、二年前に著した「語り継ぐ夏」 の英語版「Aiming at Abolition2000」を 出版した。内容を一部変更しており、日本語改訂版も八月六日に発 行する。碓井さんは「ヒロシマの平和を愛する心を世界に広げた い」と話している。

 英語版、日本語版とも五つの章で構成されており、交換留学生と して訪れた米国での生活や八歳の時に体験した原爆の惨状、チェル ノブイリ原発事故やセミパラチンスク核実験場での被害調査、救援 活動などを紹介し、医師の立場から核兵器廃絶を訴えている。

 新たに加えた付記「広島にて」では、被爆者治療に尽力し、昨年 六月に亡くなった広島の医師原田東岷氏が生前、碓井氏に送った手 紙や、昨年、コソボ紛争で北大西洋条約機構(NATO)軍が空爆 したユーゴスラビアでのIPPNWの調査活動などをつづってい る。

 英語版は七月七日発行で二百三十二ページ、日本語版は三百十二 ページ。広島市内の書店を中心に販売する。問い合わせは発行元の ガリバープロダクツ電話082(240)0768。

【写真説明】碓井さんが出版した「語り継ぐ夏」の英語版(左)と日本語改訂版


MenuBackNext