「平和の鐘」私たちがつきます 遺族代表決まる
'00/7/25
広島市は八月六日に開く原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)で、「平和の鐘」をつく遺族代表に南区南蟹屋一丁目、会社員尾津太康さん(31)、子ども代表に安佐北区白木町志路、志屋小六年矢野麻美さん(11)の二人を選び二十四日、発表した。
入市被爆した父を昨年九月に失った尾津さんは「一人ひとりが平和な心を持つよう、耳ではなく心に響くよう打ちたい」。矢野さんは「原爆や戦争で亡くなった犠牲者のめい福と、戦争が一日も早くなくなるよう祈りたい」と抱負を語った。
「平和の誓い」を読み上げる子ども代表には、安佐南区長束二丁目、長束小六年横田翔君(11)と、東区上温品三丁目、上温品小六年岡田佳那子さん(11)の二人が決まった。
横田君は祖母が被爆者。「世界にはまだ核兵器を持っている国があり、また使われる恐れがあるので核兵器をなくすよう訴えたい」と元気な声で強調した。被爆したひいおじいさんが三月に亡くなった岡田さんは「子どもも大人も平和のために一歩踏み出せば良いと言いたい」と話していた。
都道府県から一人ずつ招いている遺族代表は、長崎、岡山、茨城、栃木の四県を除く四十三人が出席する予定。
他の代表は次の通り。(敬称略)
【遺族代表】原爆死没者名簿奉納者=広島市安佐北区安佐町くすの木台、佐々木昇(45)▽南区本浦町、戸田敦子(35)◇献花者=和歌山県日高郡日高町、森敏一(71)▽富山県高岡市、中川郁子(69)
【被爆者代表】献花者=広島市安佐北区白木町三田、今中肇(82) ▽中区吉島西三丁目、栗原千里(86)▽広島県賀茂郡黒瀬町国近、稲岡稔(71)▽同県佐伯郡宮島町、津田洋子(57)
【写真説明】平和式典の遺族代表と子ども代表に選ばれた左から尾津さん、矢野さん、横田君、岡田さん(広島市役所)