被爆クスノキ2世の受け入れ校探す
'00/7/25
長崎市立式見中から一九九七年十一月、樹木医堀口力さん(55)= 広島市西区己斐大迫三丁目=に贈られた被爆クスノキ二世の苗木が 大きく育った。堀口さんは「広島、長崎の平和交流のあかしとして 大事に育ててくれる学校に寄贈したい」と受け入れ先を探してい る。
堀口さんは広島市の平和記念公園にある被爆アオギリの世話をし ており、長崎市の爆心地近くにあった山王神社で被爆したクスノキ の保存について、式見中教諭の梅崎由紀さん(47)=当時=から相談 を受けた。「種から二世を育ててみては」と、電話や手紙で種の拾 い方などをアドバイスしたところ、初めての試みで十二株が芽吹い た。
同中の二年生が修学旅行で広島市を訪れた際、そのうちの一株を 堀口さんに贈った。初めは十五センチだった背丈が、今では二・五メー トルに成長した。「これまで多くの木々を見てきたが、このクスノ キからは特におう盛な生命力を感じる」と堀口さん。八月中には落 ち着き先を決め、九〜十月に植え替える計画だ。堀口さんが出向い て作業する。
梅崎さんや当時の式見中の生徒らはその後、被爆クスノキの苗木 を全国に贈る「プロジェクトくすの木委員会」を結成し、活動を広 げてきた。梅崎さんは「クスノキを通じて、平和を願う心がさらに 広がるのは本当にうれしい」と歓迎している。
問い合わせは堀口さん、電話082(244)0669。
【写真説明】受け入れ先を探している被爆クスノキ2世の苗木の様子を見る堀口さん