平和の願い。それをヒロシマから、芸術を通じて発信する人たちがいます。ヒロシマをテーマに描き、歌う人たちもいます。プロだけではありません。子どもも大人もそれぞれの方法で、世界で初めて原子爆弾が落とされた「原点」を継承し、祈りを作品に込めます。
今回、その無数の芸術作品のごく一部を集めました。ジュニアライターがいくつかを取材し、作者の思いを聞きました。
ホームページでは、計42の作品を動画(作品の一部)や画像で見たり、聞いたりすることができます。ひろしま国の「バーチャル芸術館」です。言葉を超えて人の心を動かす芸術だからこそ、国境のないウェブの世界で、多くの人に触れてもらいたいと考えました。
今回の取材を通じて、平和をテーマに芸術活動している人の多さに驚きました。予想をはるかに超えた人や団体の中には、自分たちと同世代の人もいました。若い世代は「伝えられる側」だと思っていましたが、「伝える側」で頑張っている姿に、刺激を受けました。
感想をジュニアライター5人で出し合いました。
演劇や紙芝居を取材した人は「被爆者に納得してもらえる作品にしたいと、何度も話し合う姿勢に、責任感を感じた」。音楽を担当した人は「芸術という手段は、僕ら若い世代にも受け入れやすい」と、その力を実感しました。
幅広いジャンルで平和がテーマに取り上げられる理由については「やりがい」「思いが人に伝わったという充実感」を上げる意見がありました。
芸術は言葉や国境を越え、海外の人にも直接訴えることができます。「好きな方法で伝えようとするからこそ、より広く受け入れられていく」。これが、芸術の良さだと感じました。(高1・西田成)