NPTで日本政府は核廃絶を明確に

'00/4/15中国新聞地域ニュース

 米国ニューヨークの国連本部での核拡散防止条約(NPT)再検 討会議開幕を控え、広島市は十四日、日本政府が会議で「核兵器廃 絶」の姿勢を明確にするよう外務省に要請書を提出した。各国政府 代表に被爆地の悲願を伝えるため代表を派遣する同市内の平和団体 や被爆者団体などは、準備を本格化し始めた。

 要請書は秋葉忠利市長と伊藤一長・長崎市長の連名で、森喜朗首 相と河野洋平外相にあてた。「日独など『核の傘』にある非核保有 国が主導し、臨界前核実験の即時停止や核兵器廃絶への具体的な道 筋を求めるべきだ」との内容。浜本康男広島市国際平和推進部長が 長崎市の担当者と外務省を訪れ、佐野利男軍備管理軍縮課長に手渡 した。

 再検討会議は二十四日から五月十九日まで開かれる。一九九五年 の前回の会議の後、世界の核状況はむしろ悪化していることから、 核保有国に核軍縮努力をどう履行させるかが最大の焦点となる。

 会議に十人の代表派遣を予定している広島県原水禁と連合広島、 核禁広島県民会議は十三日夜、広島市内で結団式を開き、核兵器廃 絶を各国政府代表に強く求めていくことを確認しあった。坪井直県 被団協事務局長や浅尾英美連合広島副事務局長たちが二手に分か れ、ネバダの核実験場前での座り込みや現地の非政府組織(NG O)との交流などを計画している。

 また、会議に派遣はしないものの、市民団体「プルトニウム・ア クション・ヒロシマ」(大庭里美代表)は、世界のNGOと連携し 核兵器廃絶や「核兵器禁止条約」の調印などを求める署名集めを進 めている。署名はNGOのネットワークを通じて会議出席者に届け る。


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