NPT再検討会議開幕、核軍縮で国連総長が米批判

'00/4/25
中国新聞
スポットニュース

 【ニューヨーク24日共同=伊藤英一】核拡散防止条約(NPT) 再検討会議が二十四日、ニューヨークの国連本部総会議場で開幕、 アナン国連事務総長は冒頭の演説で米本土ミサイル防衛(NMD) 構想に触れ、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を危機にさら し、新たな軍拡競争を促す可能性があると指摘、米国を批判した。

 これに対し、午後からの一般演説でオルブライト米国務長官は、 NMD構想について「ロシアの戦争抑止努力をおとしめる意図はな い。米議会や同盟諸国だけでなく、ロシアや中国とも話し合いを続 けている」と主張。

 さらにABM制限条約でも「調印後約三十年の間に世界は激変し た」と修正の必要性を強調するなど、自国の立場を正当化する発言 に終始した。

 アナン事務総長はまた、インド、パキスタンの核実験が軍縮に 「深刻な後退をもたらした」と懸念を表明し、今後の課題として包 括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効などを呼び掛けた。

 日本の山本一太外務政務次官は唯一の被爆国の立場から、CTB Tの早期発効とそれまでの核実験凍結、兵器用核分裂物質生産禁止 (カットオフ)条約交渉の早期開始のための各国の譲歩を呼び掛け た後、記者会見し、八項目の包括的提案を説明。会議への正式提案 は二十五日になる。


next | back | NPTインデックスページへ