中国新聞

 

 
1.河岸の灯

日没、メッセージ灯から淡い緑の光が放たれる

 あふれる多彩な光

 元安川のほとり。淡い緑の光が浮かび上がる。あの日、被爆者が 水を求めた川面に揺らぐ。対岸のレストハウスそばの河川敷から、 若者がかきならすギターの音が響く。

 光源は、元安橋東詰めに十八日設けられたメッセージ灯。そばの 高さ三メートルのガス灯に、平和公園の「平和の灯(ともしび)」 から採った火が燃える。ここから光ファイバーを使い、強化ガラス の電球が光を放つ。手で触れられる「平和の灯」だ。

 訪れた人が球を不思議そうに触る。パッと光があふれる。赤、 黄、青、緑、白。「わっ、びっくりした」。やがて夢中になって色 の変化を楽しむ。

 メッセージ灯を起点に、左岸を灯ろうに見立てたローポール灯が 五百八十メートル続く。「灯和(とわ)の径(みち)」。オレンジ の温かい光が河岸を包み、新しい表情を見せる。



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