あふれる多彩な光
元安川のほとり。淡い緑の光が浮かび上がる。あの日、被爆者が
水を求めた川面に揺らぐ。対岸のレストハウスそばの河川敷から、
若者がかきならすギターの音が響く。
光源は、元安橋東詰めに十八日設けられたメッセージ灯。そばの
高さ三メートルのガス灯に、平和公園の「平和の灯(ともしび)」
から採った火が燃える。ここから光ファイバーを使い、強化ガラス
の電球が光を放つ。手で触れられる「平和の灯」だ。
訪れた人が球を不思議そうに触る。パッと光があふれる。赤、
黄、青、緑、白。「わっ、びっくりした」。やがて夢中になって色
の変化を楽しむ。
メッセージ灯を起点に、左岸を灯ろうに見立てたローポール灯が
五百八十メートル続く。「灯和(とわ)の径(みち)」。オレンジ
の温かい光が河岸を包み、新しい表情を見せる。
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