第五回世界平和連帯都市市長会議は五日、広島市中区の広島国際
会議場で総会と二つの全体会議を相次いで開いた。総会では、連帯
都市市長会議として初めて総合的な行動計画を採択した。
行動計画は目標を「世界平和の実現」と定め、「広島・長崎講
座」設置への協力プログラムの検討・実施や、子どもたちを戦争か
ら守る枠組みの研究など二十八の具体的項目を盛り込んだ。
会議名を覚えやすくするため、「平和市長会議」と短くすること
も決めた。今回の会議終了後に変える。
核兵器廃絶のための市民の役割をテーマにした全体会議には、傍
聴の市民を含め約二百人が参加した。一九九六年に「核兵器の使用
と威嚇は一般的に国際法違反」との勧告的意見を出した国際司法裁
判所のクリストファー・ウィラマントリー前副所長が講演。「核兵
器使用(のような残虐な行為)を認める法律はどこにもない。正当
化は不可能だ」と強調した。
もう一つの全体会議は子どもを取り巻く暴力がテーマ。暴力を肯
定するテレビ番組やゲームなどに批判が相次ぎ、暴力を認めないよ
う家庭や学校で教育する必要性を指摘する意見が目立った。
夕方は、市民との対話集会や市民団体による歓迎会があった。市
民百二十人が参加した対話集会は核兵器廃絶など二つのテーマに分
かれて意見を交換した。
主な行動計画(◎は重点項目)
<核兵器のない世界の実現への取り組み>
◎「広島・長崎講座」設置に向けた協力プログラムの検討・実施
◎国際司法裁判所の勧告的意見の活用方法についての検討・実施
◎電子メディアと子どもの関係改善の研究
◎子どもたちを戦争から守る枠組みの研究
○地域別市長会議の設立
<地球環境破壊、飢餓・貧困、暴力など人類共存を脅かす問題の解決>
○平和産業創出に向けた市長会議の取り組みの検討
○国際機関、非政府組織(NGO)との連携事業の検討・実施
<会議の活動強化に向けた執行体制などの強化>
◎先進都市事例・取り組みの紹介
○メーリングリスト充実
○スポンサー確保
【写真説明】本格討議が始まった世界平和連帯都市市長会議の全体会議
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