日米両国の学生が日本を縦断しながら相互理解を深める「日米学
生会議」(財団法人国際教育振興会主催)が四日、広島市中区のホ
テルに会場を移した。六日の平和記念式典への参列を含めて三日
間、被爆地で平和構築の道筋を探る。
初日はまず、広島に滞在中の日系米国人作家ラーナ・レイコ・リ
ズトさん(37)を講師に迎え、「ナショナリズム」について討議。リ
ズトさんは、日本人の母の強制収容所体験など戦争をめぐる家族史
を語り、「ヒロシマを繰り返すな、真珠湾を忘れるなといった非難
の応酬をやめ、日米とも自らの罪に向き合うのが先決」と述べた。
米国側の学生からは「私が生まれる前の戦争責任をどう考えるべ
きか迷う」「被爆の惨状をとどめていない広島の街並みに戸惑っ
た」など、率直な声が相次いだ。
その後、平和記念公園を訪ね、原爆資料館の見学や世界平和連帯
都市市長会議の傍聴もした。
一行六十三人は七日から沖縄を回って東京に戻り、約一カ月間の
旅の成果をまとめる。
【写真説明】日系米国人作家リストさん(右)の話を聞く「日米学生会議」の参加者たち
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