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「人道の世紀」提言 広島平和宣言骨子 '01/8/3

 広島市の秋葉忠利市長は二日、二十一世紀最初となる六日の原爆 死没者慰霊式・平和祈念式で読み上げる平和宣言の骨子を発表し た。ヒロシマが「戦争の世紀」とされる二十世紀の生き証人とし て、今世紀を核兵器のない「平和と人道の世紀」にするために全力 を尽くすことを宣言する。

 「人道」という言葉について、秋葉市長は「暴力に対抗する概 念。単なる非暴力ではなく、もっと積極的な意味がある」と説明。 「和解を重んじ、暴力を否定し、理性と良心に従って平和的な結論 に至る手法」とし、「人類すべてが人道を重視する考え方を持つこ とが核兵器廃絶を保障する」と強調する。

 具体的な取り組みとしは、平和教育の再活性化と、世界平和連帯 都市市長会議の活動強化を挙げる。

 日本政府に対しては、在韓被爆者への被爆者援護法適用を認めた 六月の大阪地裁判決を受け、在外被爆者への援護策の充実や、広島 とともに「平和と人道の世紀」をつくる努力などを要望する。

 秋葉市長は「昨年は二十世紀の総括だったが、今年は二十一世紀 全体を見渡した宣言にした」と話している。


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