祈りの平和公園すっきり
'00/8/3
二十世紀最後の「原爆の日」を控えた三日朝、市民ら約千六百人 が広島市中区の平和記念公園と原爆ドーム近くの元安川護岸を一斉 清掃し、六日の平和記念式典に備えた。
午前七時二十分、広島国際会議場横に市民や秋葉忠利市長、市の 幹部職員らが集合。原爆慰霊碑に向かい黙とうした後、清掃を始め た。時折、小雨がパラつく中、参加者は竹ぼうきやごみ袋を手に黙 々とたばこの吸い殻や空き缶、植え込みの落ち葉などを拾い集め た。
市美化・減量化対策室によると、約三十分間の作業で集めたごみ は約三百キロ。十年以上続けて参加している東区牛田南一丁目の主 婦開原美須津さん(34)は「広島に生まれた人間として、息子たちに も原爆を語り継いでいきたい」と今年も長男秀範君(6つ)、二男貴昭 君(4つ)と一緒に参加した。
六日夜に灯ろう流しの舞台となる元安川護岸は、市民たちがブラ シでこすり落とした泥を消防署員が消防車のホースで洗い清めた。
一斉清掃は広島市と市公衆衛生推進協議会が主催。一九七二年に 始まり、今年で二十九回目。この日、平和記念公園では式典で使う パイプいすの設営も始まった。四日にかけ約一万二千四百脚が運び 込まれ、五日までに会場設営が終わる。
【写真説明】原爆資料館そばで、落ち葉などを竹ぼうきで掃く子どもたち(3日午前7時40分、広島市中区の平和記念公園)