米兵捕虜の遺族、原爆死没者名簿に登載申請

'00/8/3

 広島市への原爆投下時、爆心地から六百メートルの陸軍中国憲兵 隊司令部(中区基町)に捕虜として抑留されていて被爆死した米軍 機操縦士の名がまた一人、原爆死没者名簿に登載される。遺族から 登載申請書を受け取った西区の歴史研究家森重昭さん(63)が四日、 先月末に届いた別の捕虜の申請書とともに手続きをする。

 操縦士は爆撃機「ヘルダイバー」のレイモンド・ポーター中尉= 当時(24)。同機は一九四五年七月二十八日、広島県の能美島沖に停 泊していた巡洋艦「利根」爆撃に飛来し、山口県大島沖に墜落。ポ ーターさんは中国憲兵隊司令部に連行され、独房に入れられたまま 被爆死したとされる。

 森さんは、知人を通じて今年四月、米国ウィスコンシン州に住む ポーターさんの義妹ルース・ポーターさんを知り、原爆死没者名簿 への登載を打診していた。今月一日、「世界平和へのあなたの努力 に感謝します」との手紙とともに、申請書が送られてきた。


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