原爆ドーム絵画1000点 被爆者が個展開く

'00/8/2

 原爆ドーム(広島市中区)を十年余りにわたって描き続けている 被爆者の原広司さん(68)=安芸区矢野西四丁目=の絵が千枚に達 し、記念の個展が一日、中区加古町のアステールプラザで始まっ た。季節によってさまざまな表情を見せるドームの水彩画百点を展 示している。三日まで。

 被爆体験証言者グループ「ヒロシマを語る会」の代表でもある原 さんは、一九八九年ごろからドーム前で修学旅行生らに被爆証言を 語る合間、色紙にスケッチをするようになった。青空の下のほか、 雨に打たれ、雪が積もるドームをいろんな角度からとらえ、季節の 花やハトなども一緒にかき込んだ。「見るたびに雰囲気や表情が違 う」と原さんはドームへの思いを語る。

 展示された百点の中には、一九四八年に撮影した写真を基に描い た作品や、世界遺産への登録が決まった九六年十二月六日に達成し た五百枚目の作品もある。七月二十七日に描いたばかりの千枚目に は「核兵器廃絶と世界の恒久平和を祈る」と言葉を添えている。

 原さんは「ドームは、私にとっても原爆の悲惨さを伝える象徴に なった。これから二十一世紀に向け、核兵器廃絶を訴える平和のシ ンボルとしてかき続けたい」と話している。

【写真説明】「戦争の悲惨さと平和の尊さを感じとってほしい」と自作を見ながら話す原さん(広島市中区のアステールプラザ)


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