8・6前に学び清める平和公園
'00/7/30
八月六日の「原爆の日」を前に二十九日、広島市中区の平和記念 公園では、平和ウォークや清掃奉仕、海外からの献花など、反核・ 平和を祈る動きが相次いだ。
歩 く あの日思って約10キロ 広島市佐伯区海老園四丁目の市立五日市南中学校(伊藤信吾校 長、六百十人)の一年生百四十二人と教師、保護者らの計約二百二 十人は「平和ウォーク」を初めて開催。中区の原爆ドーム前から同 中学校まで約十キロを行進した。
生徒たちは、午前九時に原爆ドーム前の原爆慰霊碑に千羽づるを 手向け、三十六の班に分かれて出発。被爆者の多くがあの日、助け を求めて歩いたといわれるのと同じコースを経由しながら、約三時 間半かけて歩いた。
参加した佐伯区海老園一丁目、大田昂平君(13)は「暑いけど、み んなと歩くのは楽しい。でも原爆が落ちた日は、苦しみながら逃げ たんだろうな」と話していた。
親子と教師が共同で取り組む活動として「平和ウォーク」を企 画。伊藤校長は「みんなが一体となって、自分の足で平和の尊さを 感じてほしい」と話していた。
清める 平和の池、念入りに 「平和の灯(ともしび)奉賛会」(藤田一憲会長)のメンバーら 約三十人は「平和の池」を清掃した。
午後一時からの作業では縦七十m横十七mの池の水を抜いた後、 約二時間かけてブラシを使って底や側壁にこびり付いた土やコケを 取り除いたり、池に投げられた硬貨を回収したりした。仕上げは市 消防局の消防車がホースで汚れを洗い流した。
同会は一九六四年から毎年二回、清掃活動を続けている。三回目 の奉仕という南区宇品東三丁目、会社員大前俊治さん(44)は長女阿 弓さん(11)と二女侑香さん(9つ)と参加。「清掃を通して、平和への 思いを子どもたちにしっかりと教えたい」と汗をぬぐっていた。
献ずる ソウル市剣道道場協議会の34人 四年前から広島市剣道スポーツ少年団と交流を続ける韓国・ソウ ル市剣道道場協議会(田光熙団長)の一行が二十九日、広島市を訪 れた。広島市中区の平和記念公園で韓国人原爆犠牲者慰霊碑に献花 した後、広島県立総合体育館武道場でスポ少のメンバーと一緒に汗 を流した。
一行は小学生八人、中学生七人、高校生四人とコーチなど関係者 を合わせて総勢三十四人。三十日は広島市スポーツ少年団大会に特 別参加。スポ少のメンバー宅に一人ずつ分かれてホームステイし、 交流を深めたり、異文化に触れる。代表して献花した崔賢規君(16) は「剣道の礼儀を学び、日本の文化を理解して帰りたい」と、張り 切っていた。
相互交流は、一九九七年に始まった。ソウル側の小中高校生が、 広島に来たのは初めて。八月二日まで滞在する。
【写真説明】(上)中学生が保護者や教師と平和を考えながら行進した「平和ウォーク」(広島市中区の平和記念公園)(中)平和の池を丹念に清掃するボランディア(下)平和記念公園の韓国人原爆犠牲者慰霊碑に献花し、黙とうするソウル市剣道道場協議会のメンバー