広島市教委 給食に独自色
広島市教委が、食育に役立つ給食づくりを進めている。いりこ、大豆、昆布を混ぜた独自メニュー「食育ミックス」=写真=を市立の全小中学校に導入。県産食材も積極的に使う。独自の指導法で食事の大切さや楽しさを伝える学校もある。 食育ミックスは国の食育推進基本計画が「食育の日」に定める毎月19日前後、給食の一品に加える。主に児童生徒の「かむ力」の向上を目指す。 皆実小(南区)では5月19日も食育ミックスが並んだ。栄養教諭の栗本淳子さん(46)が各学級を巡回。いりこに模した指人形を操り、「いりこは地場産品。よくかんで」と声を掛けた。指人形は近隣の学校の食育担当者と作った。食育への興味を持たせる工夫だ。 食育ミックスは昨年4月に市教委が導入した。かむ力がつく▽栄養価が高い▽家庭で使われにくくなった伝統的な食材に親しめる―などの利点を挙げる。当初は慣れない食材に戸惑う児童生徒もいたが、今は大半が平らげる、という。 いりこと大豆は可能な限り県産を使う。栗本さんは「地場産は作り手の顔が見える。子どもに安心な食品を選ぶ力も身に付けてほしい」と期待を込める。 市教委は月2日、県産食材をふんだんに使う「地場産物の日」も設け、アナゴ飯やカキフライなどの郷土食も取り入れる。「食育月間」の6月は、独自に児童考案の献立を出したり、食をテーマに川柳を詠ませたりする学校もある。 市教委健康教育課は「食は健全な体と心をはぐくむ」と意義を強調。「家庭と連携を図りながら、指導の工夫を重ねたい」としている。(田中美千子) (2009.6.1)
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