前回に続いていじめ問題を取り上げます。今回は、ジュニアライター自身が経験したいじめについて語り合いました。
いじめをなくす方法についてジュニアライターは、「正直に心を開いて話す」「自分と違う部分があってもその人を受け入れる」という二つを提案しました。
いじめを防いだり、いじめに悩む人を助けたりする具体的な取り組みも取材しました。
子どもたちがいじめを防ぎ、被害を悪化させないよう、人間関係づくりを進めるプログラムに取り組む学校があります。大人も、子どもの話を受け止めたり、ネットいじめの原因となるホームページ(HP)を監視したりする活動をしています。いじめで学校に居づらくなった子どもに、居場所を提供する大人もいます。
―「いじめ」って具体的にどんなことを指すと思いますか。 A 殴るけるの暴力もあるし、言葉の暴力もある。とことん無視する場合もある。特定の人を孤独に追い込む行為だと思う。 B ある個人やグループを傷つけてやろうという言動。集団で1人をやる場合もあれば、1対1という形もあるよね。 C 1回だけなら遊びともいえる。でも、それが長期的になるといじめになるのでは。
―なぜ、いじめは起きるんだろう。 A 相手をストレスのはけ口にするからだと思う。話しても、もやもやが残ったとき相手の反応にかかわらず手が出てしまう。自分自身の感情を暴力で相手に当てててしまう。 D 特定の人が嫌だという気持ち、拒否感が無視などの行動に出てしまう。 B 自分をアピールしようとして、その人が邪魔だと感じるときにいじめが始まる。だから、他人の目を意識しやすい中学生のときに特に多いのでは。例えば、自分がピアノをやっていて、自分より上手な人がいたりしたときなど。嫉妬の感情というのは影響が大きいと思う。 C 1人でいたくない時、だれかをいじめることで仲間をつくろうとしていることもある。 ―実際に自分が経験したり、見たりしたいじめってある? A 塾で一緒だったみんなが、ある日突然口をきいてくれなくなった。いじめられているのを見たこともあるけど、何も言えず止められなかった。 B 吹奏楽部で1対1のいじめに遭い、1カ月ぐらい不登校になった。解決した後、今度はいつの間にか、自分がその子をいじめ返していた。 D いたずらの標的にされ、相手に嫌悪感を持って、悪口を言うようになった。いじめられたことへの仕返しなのでいじめという自覚はなかったが、相手はいじめられたと言っていた。
―いじめをどうやって乗り越えた? B 不登校で引きこもっていたら、校外の指導者に「まずは家から出てみないか」と言われ、外でレッスンを受けた。学校に戻ると部活の先生から、みんな心を一つにしないといい音楽を作れないと言われた。自分にはもっと大きな目標があると思うようになった。 A いじめる側にまわっていた友達の一人が話しかけてくれた。そのおかげで立ち直れた。 ―いじめを見ても、どうして止められないんだろう。 A 声を上げると自分が標的になってしまうという思いがある。逆に自分も一緒にいじめる側になってしまうという心配もある。 C いじめに発展するのを防いだことがある。自分ともう1人の子のどちらかと遊び、片方を仲間外れにする子がいた。ある日、その子が私に「じゃんけんで負けた方が(もう1人の子に)『大嫌い』と言おう」と持ちかけてきた。私がじゃんけんで負けてしまった。でも、「大嫌い」とは言いたくなかったので「大好き」と言った。すると、話を持ちかけてきた子も一緒に「大好き」と言った。この時「大嫌い」と言っていたらいじめにつながったと思う。
―いじめをなくすにはどうすればいいかな。 B 取材をするまで、いじめられていることを周囲の人に話すと迷惑になるから話さないほうがよいと思っていたけど、誰にでもいいから相談したほうがよいのだと分かった。1人でいじめに立ち向かえなかったら大人数で「いじめはやめようよ」という声を出さなければならないと強く感じた。 D 相手の良いところ、悪いところを素直に言う。はっきりとものを言える友達関係をつくることが大切ではないか。 C 性格が合わなくても、その違いが「おもしろい」と感じられるようになれば、いじめにはつながらないはずだよね。 | |||||||||||||||
こんな取り組みがあります | |||||||
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