オバマ米次期大統領を被爆地広島に招き、被爆者の声に耳を傾けてもらおう―。このプロジェクトの第1弾となった40号(11月11日付)では、核超大国といわれる米国のトップになるオバマ氏に、まず「招待状」を書こうと呼び掛けました。そしてその手紙を英訳してくれる人を募集しました。
締め切りまで20日しかない中、寄せられた手紙は計335通に達しました。翻訳ボランティアには19人が手を挙げました。さらにオバマ氏が通ったハワイの中高一貫校の後輩、そしてニューヨークの高校生が翻訳を手伝ってくれることになりました。核兵器をなくす目標に向かい若い世代がつながっている気がします。
このプロジェクトは「おいでよオバマさんプロジェクト」とし、実現まで随時特集していきます。
「ぜひ広島に来てください」と、オバマ米次期大統領に呼び掛ける手紙は合計335通も集まりました。このうち70通は11月16日に広島国際会議場(広島市中区)であった国際協力イベントの会場で書いてもらったものです。 すべてを読むと、内容が濃いものからそうでないものまでありますが、学校単位の取り組みもあり、みなさんがまず書こうと思ってくれたことをうれしく思います。 「Yes, we can」「change」など、オバマ氏が選挙戦で使ったフレーズで、「核兵器廃絶はできる」「あなたなら世界を変えられる」と訴えた手紙が目立ちました。オバマ氏はこれまでの米国の大統領とは違うという見方がその背景にあると思います。また中には中学生でも英文で書いたり、絵を添えたりしてアピールするものもありました。 広島に来てほしい理由としては多くの人が「原爆資料館や原爆ドームを見て、核兵器の恐ろしさを知ることができる」ことを上げていました。そのほかでは「米国の大統領が一度も広島に来たことがないのはおかしい」という主張も複数ありました。(中3・岩田皆子、中1・井口優香) |
翻訳ボランティアに応募した19人のうち最年少は英語が得意という広島市安佐南区の小学6年生でした。高校生も2人いました。その積極性に驚きました。子どもも平和のために何かしたいと考えている証拠だと思います。もちろん多くは英語教師や、通訳の経験がある主婦たちでした。周南市など、広島県外からの応募もありました。 そしてサプライズがありました。なんとオバマ米次期大統領が卒業したハワイの中高一貫校プナホウ学園で日本語を勉強する約50人も翻訳を手伝ってくれるというのです。つまりオバマ氏の後輩が、オバマ氏とヒロシマをつなぐというビッグニュースです。 もともとはオバマ氏につながるルートを、環境特集で取材したプナホウ学園に聞いたところ「直接つながる人脈はないけれど、翻訳の手伝いならできる」と、逆に申し出があったのです。 そしてさらに同学園から聞いたというニューヨークの公立高校で日本語を勉強するクラスからも応募がありました。先生が生徒にひろしま国のプロジェクトを話したところ「ぜひお手伝いしたい」と声が上がったそうです。(高1・陶山岳嗣、高1・古川聖良) |
寄せられた手紙の一部を抜粋して紹介します。できる限り原文のままにしてあります。
小 学 生 |
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中 学 生 |
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高 校 生 |
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被 爆 者 ・ 遺 族 ら |
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そ の 他 |
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引き続き人脈募集
オバマ米次期大統領に直接手紙を読んでもらうために募集した「ルート」は、応募がゼロでした。引き続き、オバマ氏に親しい人や側近につながる人脈を探します。
もちろんホワイトハウスに送ることも考えていますが、それでは本人が目を通すかどうか分かりません。多くの方から寄せられたヒロシマへの「招待状」をぜひ本人に読んでもらい「ヒロシマに行こう」という気持ちになってほしいです。
「そういえばあの人がいた」など、オバマ氏に手紙を渡すのに頼みやすい人がいらっしゃれば、住所、名前、電話番号、メールアドレスを添えてこども新聞編集部 kidspj@chugoku-np.co.jp に送ってください。編集部から連絡させていただきます。(中1・坂田弥優)