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お小遣いでできる平和貢献
   誰かの明日 僕らも救える


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国境なき医師団の栄養治療センターで、栄養治療食RUFを食べる子ども(ブルンジ、2001年。国境なき医師団提供©Alain Frilet/MSF)


ユニセフの「世界子供白書2007」によると、アフリカのシエラレオネでは1000人のうち165人が1歳未満で亡くなります。同じくマリでは、15歳以上の男性73%、女性88%が読み書きできません。アジアでもバングラデシュの国民36%が1日1ドル以下で暮らしています。


こんな世界の現状を知り、私たちに何ができるのか、まず市民団体や国際協力団体の活動を調べました。そして私たちにとっては少額でも世界の多くの人の生活に何か変化を与えられる可能性があると知りました。


世界の人々全員を助けることはできないかもしれません。本当に支援が必要なのは誰か、を考えながら、ジュニアライターも調べた団体の活動に協力しました。皆さんも自分にできることを探してみてください。

 
 ■100円で給食3食分
 ■書き損じはがきで自転車
  支援の方法 さまざま
 

非政府組織(NGO)や特定非営利活動法人(NPO法人)などを取材し、一口に寄付と言ってもいろんな支援があることが分かりました。その一部を紹介します。


表「支援活動一覧」
 《寄付》
【医療】  西アフリカのブルキナファソでは4000円でマラリアの治療薬40人分を購入できます。世界保健機関によると、マラリアはこの国の死亡原因の第3位です。医薬品は高いと思っていましたが、自分でも払える額の支援も多く、驚きました。
【食料】  100円でカンボジアの病院に給食3食分を提供したり、1000円で南アフリカ共和国の子どもに3日分の食料を届けたりすることができます。
【教育】  1800円でアフガニスタンにランドセル1個を届けられます。1万円でバングラデシュの識字学校の先生養成に4人を研修できます。教育は大切なので、支援が広がればいいと思います。
 《無料でできること》
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ジュニアライター(手前右)に活動を説明する黒瀬中生徒会のメンバー

 書き損じはがきや使用済みインクカートリッジを集めるなど、お金がかからないものもあります。例えば、財団法人ジョイセフ(東京)にはがき34枚を送ると途上国に再生自転車を贈ってくれます。


 東広島市の黒瀬中では、使わなくなった文房具や服、スポーツ用品などを集めています。フィリピンで緑化活動に取り組むNGOに送り、苗木を買うお金に充ててもらうためです。14日までしています。(中3・見越正礼、中1・大友葵)
 

黒瀬中の国際支援活動を取材

 
   ジュニアライターも貢献しました 
 
地雷廃絶を訴える写真を借りる  4000円
 

きょうから中区で展示

NPO法人テラ・ルネッサンス(京都市)は4000円(学生3000円)で、写真25枚を10日間貸し出しています。

私たちはそのうち15枚を借り、写真展を開くことにしました。カンボジアの人々の暮らしや地雷で足を失った人などの写真を展示します。写真を見た人に戦争や地雷の恐ろしさや、一般市民まで被害に遭っていることを知って、何かできることを考えてほしいです。送料込みで4160円使いました。

写真展は10日から16日まで広島市中区の市青少年センターの展示ホールでします。私たちは常駐できませんが、ノートを置くので感じたことや平和へのメッセージを寄せてください。無料。午前9時から午後9時、火曜日休館です。テラ・ルネッサンス 電話075(645)1802。(中2・坂田悠綺)

 
アフガニスタンの1世帯に緊急の飲料水1カ月分  1000円
 
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アフガニスタンでの支援事業を説明する國田さん(右)

アフガニスタン北部のサリプル州の1世帯に約1カ月分の飲料水を配給することができます。NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)尾道事務所長の國田博史さん(39)に取材し、3世帯分(3000円)を寄付しました。

アフガニスタンは内陸にあり、あまり雨が降りません。特に、干ばつ時には子どもが何時間もかけて泉まで水を取りに行くそうです。そんな村や難民キャンプに、タンクを載せたトラックで届けます。2006年度には6590世帯に水を配りました。

これは日本を含む7カ国で支援をしているPWJの活動の一部です。

國田さんは「物資を支援するだけでなく、現地の人が自分たちで生活していけるようにすることが目標」と、いろんな計画を練っています。PWJ 電話03(5304)7490。(小6・小坂しおり)

 

ピースウィンズ・ジャパン國田所長インタビュー

 
栄養失調の子どものための治療食1日分  132円
 

幼児が効率よく栄養を摂取できる、ピーナツなどにビタミンを加えたペースト状の栄養治療食(RUF)が買えます。NPO法人国境なき医師団日本によると、重度の栄養失調児を治療するためには1カ月から2カ月かかるのでその平均金額6200円を寄付しました。

RUFは個別包装されています。一般の食糧支援で配られるトウモロコシの粉などよりも、栄養を吸収しやすいそうです。貯蔵が可能で、調理の必要もないので不衛生な水による細菌感染も防ぐことができます。医師団は2006年にはRUFを使ってアフリカやアジア南部の計22カ国で15万人以上の急性栄養失調児を治療しました。

医師団は総合的な支援をしており、目的を限った寄付金の受付をしていません。寄付金の一部がRUF購入に充てられることになります。医師団 電話0120(999)199。(中2・松田竜大)

 
アフガニスタンの小学校に黒板1枚  2000円
 

財団法人ジョイセフ(東京)に2000円寄付すると、現地で黒板を購入し、アフガニスタン東部のナンガハール州にある小学校に届けてくれます。

この国では23年間にわたる内戦などで多くの学校が破壊されました。今でも地方の子どもたちはテントや青空教室で勉強しているそうです。教室には黒板がなく、先生が口頭で教えています。設備が整っていないところの子どもたちにも、勉強をしてほしいという思いを込めました。ジョイセフ 電話03(3268)5875。(中1・大友葵)

 
バングラデシュで5人が牛の飼育方法研修  3000円
 

育て方は知っていてもより高く売るための方法を知らない農民5人に2日間の技術研修をします。餌の配合方法などを学び、収入につなげます。これに3000円出しました。

現地のNGOと協力しているNPO法人シャプラニール(東京)のプログラムの一部です。また3000円で文字を読めない成人のための文房具や教材60人分を提供することもできます。このほか子どもたちの教育や衛生環境の改善、1人当たり1000円から約1万円の起業融資などもしています。シャプラニール 電話03(3202)7863。(高1・串岡理紗)

 
  手続きは簡単 気軽に活用を

私たちは1月に新聞労連ジャーナリスト大賞特別賞をいただき、その副賞の一部を使って今回紹介した5つの活動に計1万4200円を寄付、写真展には4160円を使いました。初めはワクチンや食料を寄贈するなど、医療や生活支援が良いと思いました。しかし長い目で見ると、現地の人たちは与えられることの繰り返しで本当の支援にはならないとも思いました。

そこで教育のための黒板を贈ることや、現状をほかの人にも知ってもらおうと写真展を開くことにしました。

これまで寄贈や募金は手続きが面倒でちょっとした覚悟がいると思っていました。しかし写真展でまずは現状を知ってもらう取り組みや、書き損じはがきを送る「寄付」を知り、難しくはないと気づきました。

また国際支援について調べるなかで、原爆投下後の広島でも赤十字国際委員会による医薬品の支援があって、何人もの命が救われたことを知りました。その恩恵を経験し、復興した日本に住む私たちだからこそ、海外の人々を支援することにより意味があるのかもしれません。(高2・岡田莉佳子)