砂礫の島 募る不信
一九九五年十二月と翌年一月、米海兵隊岩国基地所属の垂直離着陸機ハリアーが、沖縄県・鳥島射爆場で行った実弾演習で、放射能兵器である劣化ウラン弾千五百二十個を発射した。事実が明るみに出たのは一年余り後の九七年二月。沖縄県民が求めるウラン弾の回収が進まぬうちに、今年五月、在沖縄米空軍司令官が嘉手納弾薬庫に「劣化ウラン弾を保管している」と発表した。その数日後には、県内の米軍払い下げ品取扱業者の資材置き場で、使用済みの劣化ウラン弾の薬きょう四百七十三個が見つかった。沖縄から撤去されたはずの劣化ウラン弾がいまだ保管される一方で、民間に「鉄くず」として薬きょうが売却されるずさんな管理…。主要国首脳会議を前に訪れた沖縄では、人々が沖縄サミットを歓迎しつつも、米軍への不信を募らせていた。
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