広島市立大の井上泰浩助教授(マスメディア論)が、被爆六十年の昨年八月六日前後に、世界十五の国と地域の新聞が広島の原爆をどう伝えたかを分析した。世界の報道についての初の大規模な研究。
昨年八月五日付から八日付の四日間の新聞を対象に、特に八カ国・地域の代表的な十四紙は報道量や論調などを詳しく分析した。米国では原爆投下を正当化する論調が目立ったほか、中国、韓国は日本の戦争責任を重視する姿勢を強調。一方で、欧州では被爆者の訴えの意義を高く評価する報道が目立った。
井上助教授は「世界が原爆に対して多様な理解をしている現実を踏まえて広島のメッセージを伝えていく必要がある」と指摘している。