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原発事故20年 チェルノブイリに暮らす > 連載 > 汚染地の人々
汚染地の人々
復興の陰 続く悲しみ ('06/4/28)

 史上最悪となった旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故は、発生から二十年が過ぎた。

 風向きの影響で最も大きな被害を受けた隣国ベラルーシ。今なお残る、放射能汚染された広大な大地で、地域再生に向けて、さまざまな取り組みが続いている。

 汚染が深刻な南部ゴメリ州では、人口が激減した地区も多い。ホイニキ地区のストレニチボ村の学校は、児童が減り、一九九一年に閉鎖された。その後、旧ソ連の各共和国からの移住者が増え、二〇〇四年末に再開。地域ではいま、故郷を去っていった村人に代わり、異郷から来た人々が社会を支えている。

 放射線による人体への影響を見守るサポート体制も続く。ゴメリ市の結婚家族医学遺伝センターは、妊婦への超音波や羊水の検査で、胎児に異常がないか、調べている。オレグ・クリバラポフ院長は、事故による影響は今のところ、確認されていないと説明したうえで、「二十年という歳月は、遺伝調査の面では、期間としてはまだ短い」と指摘する。

 新緑の季節が訪れようとする大地には、故郷を追われた人たちの悲しみと、復興を目指す人々の営みが重なる。(滝川裕樹、写真も)

【写真説明】(1)子どもたちのあどけない笑顔があふれるストレニチボ村の学校。汚染地域の未来を担う児童の半数の世帯が旧ソ連の他の共和国出身者だ(2)事故による強制移民の記念碑。故郷を追われた人々の悲しみが刻まれている(ゴメリ州のブラーギン)(3)妊婦から羊水を採取して


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