人類史上初の原爆投下から五十六年たった六日、原爆死没者慰霊
式・平和祈念式(平和記念式典)が広島市中区の平和記念公園であ
り、五万人(市発表)が参列した。秋葉忠利市長は今世紀最初の平
和宣言で、二十一世紀を核兵器のない「平和と人道の世紀」にする
ため全力を尽くすと決意を表明した。
午前八時、式典が始まり、小泉純一郎首相や、世界平和連帯都市
市長会議の代表らが次々に献花した。
八時十五分、「平和の鐘」を合図に参列者全員が黙とうをささげ
た。この後、秋葉市長が平和宣言。「人道都市」を新たな都市像と
して打ち出し、世界の指導者には核兵器廃絶への強い意志、和解や
人道を重視する勇気を求めた。
秋葉市長は、被爆者の記憶と責任感、意志を若い世代に伝えるこ
とが「人類が二十一世紀を生き延びるための最も確実な第一歩」と
強調。日本政府には在外被爆者への援護策充実などを要請した。
小泉首相は「核軍縮・核不拡散の取り組みを押し進め、核兵器の
廃絶に全力で取り組む」とあいさつした。
この一年間に亡くなったり、新たに死亡が確認された被爆者は四
千七百五十七人。原爆死没者名簿の搭載者の総数は二十二万千八百
九十三人になり、この日、原爆慰霊碑に納められた。
【写真説明】5万人が参列した原爆死没者慰霊式・平和祈念式。新世紀初の平和宣言で、秋葉市長は「21世紀を平和と人道の世紀に」と述べた
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