核問題専門家が国際シンポ
'00/8/5
国際シンポジウム「非核の傘を広げよう」(広島平和文化センタ ーなど主催)が四日、広島市中区の広島国際会議場で開かれた。日 本や米国、中国の核問題専門家など四人のパネリストが五月の核拡 散防止条約(NPT)再検討会議や、核兵器廃絶に向けた広島の役 割などを話し合った。
元米国軍縮特別代表のトーマス・グレアム氏は「米国の米本土ミ サイル防衛(NMD)を今のまま進めれば、他の国にNPT脱退の 機会を与える」と指摘。中国の作家、余秋雨氏は「NPT合意を実 行に移し、核兵器廃絶を実現することは人類の使命」と述べた。
広島の役割について琉球大の我部政明教授は「沖縄であったサミ ットを次回は広島で開き、首脳に原爆資料館を見てもらうべきだ」 と提言。フランス広島・長崎研究所を主宰する美帆・シボさんは 「核兵器などの暴力に対抗する平和の文化を生み出そう」と呼び掛 けた。
パネルディスカッションの前に、NPT再検討会議の議長を務め たアブダラ・バーリ氏が講演し、「核兵器廃絶の明確な約束がされ た以上、核保有国の今後の動きはみんなで注意深く監視しなくては ならない」と話した。