心に刻むヒロシマ「教師と子どもの碑」慰霊祭
'00/8/4
原爆の犠牲になった国民学校の児童と教師を追悼する「原爆犠牲 国民学校教師と子どもの碑」の慰霊祭が四日朝、広島市中区の平和 記念公園南側の緑地帯であった。主催の広島県教組などは、子ども たちに折りづるの保存策に関心を持ってほしいと、今回の慰霊祭か ら、碑にささげる折りづる一羽一羽に折った人の名とメッセージを 書き込んでもらう取り組みを始めた。
午前八時からの慰霊祭には、市内や近郊の小中学校七十校余りの 児童・生徒、遺族など約八百人が参列。インドとパキスタンから広 島を訪れている少年少女八人も加わった。黙とうをした後、折りづ るを供えて献花。「青い空は」を全員で合唱した。
広島市立中広中生徒会長の三年岸幸子さん(14)は、あいさつで 「相手のことを理解し、相手の立場に立って考えればいじめも戦争 もなくなる」と呼び掛けた。
遺族として参列した東区山根町の宮地薫造さん(68)は、本川国民 学校教諭だった父和藤次さん=当時(38)=を亡くした。「いつもと 変わらないで自宅を出るのを見送ったが、中区土橋町での建物疎開 の引率をしていて…。原爆には怒りしかない」と話していた。
碑に納められている死没者名簿には、教師と子どもを合わせて千 二十八人の名前が記載されている。
【写真説明】碑に折りづるをささげ、原爆で亡くなった国民学校の児童と教師を慰霊する子どもたち(4日午前8時40分、広島市中区中島町)