×

ニュース

「被服支廠 全棟保存を」 住民団体 署名1万1907筆提出

 広島県が「2棟解体、1棟保存」の原案を示した広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)を巡り、3棟全ての保存を求める住民グループが16日、インターネットで集めた1万1907筆の署名を県に出した。

 署名は、原案公表を受けて有志たちが結成した「旧広島陸軍被服支廠倉庫の保存・活用キャンペーン」が10日から集めた。この日はメンバーの女性2人が県庁を訪れ、呉市の瀬戸麻由さん(28)が県財産管理課の足立太輝課長に渡した。

 瀬戸さんは「安全対策は否定しないが、3棟が並ぶ規模感にこそ価値がある」と解体しないよう要請。足立課長は「地震などで倒壊すれば、市道を挟んだ民家や通行人に危険が及びかねない。安全対策が最優先」と原案に理解を求めた。

 県原水協(東区)など3団体も同日、3棟の保存や、必要な費用を確保するよう求める要請文を県議会棟で足立課長に渡した。高橋信雄代表理事は「被爆者の高齢化が進む中、被爆の実態を伝える歴史的に貴重な存在だ」などと訴えた。(樋口浩二、木原由維)

(2019年12月17日朝刊掲載)

年別アーカイブ