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被爆ピアノ 船上の調べ 広島港 萩原麻未さん演奏

 広島市南区の広島港に寄港した非政府組織(NGO)ピースボート(東京)の客船で6日、被爆ピアノと被爆バイオリンによる船上演奏会があった。安佐南区出身のピアニスト萩原麻未さんたちがクラシックの名曲を奏で、約370人が耳を澄ませた。

 ピアノは、広島女学院専門学校(現広島女学院大)の3年で被爆翌日に19歳で亡くなった河本明子さんの遺品。バイオリンはロシア人被爆者セルゲイ・パルチコフさんが愛用したもので、バイオリニストの成田達輝さんが弾いた。

 萩原さんたちは、河本さんが好きだったショパンの「マズルカ5番」など10曲を演奏。しっとりとした音や軽快なリズムを響かせ、大きな拍手を受けた。

 家族と訪れた東区の牛田小4年泉弥生さん(9)は登校日のこの日、学校でこのピアノについて学んだ。「とてもきれいで優しい音色。長い間残っていたのがすごい」と感心していた。

 演奏会は、ピースボートと、ピアノを修復した「HOPEプロジェクト」(佐伯区)が初めて企画。今後寄港する長崎や韓国・釜山でも開く。(畑山尚史)

(2019年8月7日朝刊掲載)

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