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被爆ピアノの曲 広島で世界初演 20年夏「平和の夕べ」コンサート 広響、アルゲリッチと協演

 被爆75年の2020年夏、広島市で開かれる広島交響楽団の「平和の夕べ」コンサートに、世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチが出演することが決まった。被爆ピアノ「明子さんのピアノ」をモチーフに、気鋭の作曲家藤倉大に委嘱する新曲を世界初演する。

 広響を運営する広島交響楽協会が10日、南区で理事会を開き、一連の事業を承認した。

 公演は中区の広島文化学園HBGホールで同年8月5、6日に開催。指揮は広響音楽総監督の下野竜也が務める。アルゲリッチと協演する新作のピアノ協奏曲のほか、ベートーベンの「第九」を演奏し、平和のメッセージを発信する。

 アルゲリッチは15年、広島、東京公演で広響と初協演。広島を訪れた際、原爆で亡くなった広島の女子学生、河本明子さんの遺品のピアノに触れ、感銘を受けたという。広響は、それらの経緯を藤倉に伝え、作曲を依頼した。アルゲリッチが新作のピアノ協奏曲に挑むのは初めてで、注目を集めそうだ。

 広響は、19年8月に行うポーランド公演にアルゲリッチが出演することを既に発表している。(西村文)

(2018年12月11日朝刊掲載)

河本明子さんが残した被爆ピアノについて紹介する広島市立牛田中学校(東区)放送部の映像作品「ショパンを愛したピアノ」を「動画で平和発信」のコーナーにアップしています。

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