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過酷労働の朝鮮人悼む 高野 高暮ダムで平和の集い

 戦時中、庄原市高野町の高暮ダム建設での過酷な労働で犠牲になった朝鮮人を悼む平和の集いが2日、同ダムそばにある追悼碑前で開かれた。地元の高暮地区の住民や広島朝鮮初中高級学校(広島市東区)の生徒、平和について学ぶ県内の高校生たち約60人が参加した。

 主催する高暮自治会の草谷末広代表(70)が「多くの朝鮮人が強制労働で亡くなった歴史を学び、山奥から平和への思いを発信したい」とあいさつ。参加者1人ずつが献花し、高校生の有志が朝鮮半島の民謡「アリラン」を合唱した。

 ダムの堤防では、三次市の元中学教諭四車(ししゃ)ユキコさん(77)が紙芝居を使って当時の様子を解説。「労働から逃げ出した20歳ぐらいの男性に餅を与え、逃げ道を教えたという住民は、今でも無事に逃げたか気になっている」などと、住民からの証言を伝えた。

 同校高級部1年成彩玲(ソン・チェリョン)さん(16)は「同胞1世の苦難は大きかったが、心ある日本人もいたと知った。一緒に平和な社会を築いていきたい」と思いを新たにしていた。(永井友浩)

(2018年9月3日朝刊掲載)

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