×

ニュース

被爆2~4世 反核の思い 山口市原爆被害者の会 体験継承へ冊子

 山口市原爆被害者の会は、3冊目となる被爆体験集を発行する。被爆者の減少や高齢化が進む中、世代を超えて語り継ごうと、被爆2~4世たちの手記を多く掲載する。9月6日の「山口のヒロシマデー」に合わせて完成させる。

 タイトルは「核兵器のとなりで」。いまだに核廃絶を実現できていない悔しさを込めた。A5判、約100ページの予定。再編集した被爆者の証言に加え、胎内被爆者や被爆2~4世たち13人が両親や祖父母から聞いた体験談や平和学習などを通じた反核平和の思いをつづった。

 このほど市内で5度目の編集委員会を開き文章の手直しやレイアウトの確認をした。

 同会は2007年3月に1冊目(100部)、13年11月には2冊目(200部)を作った。発行の資金にめどが付いたので昨年5月の総会で3冊目の発行を決めていた。

 これまでは被爆した当事者の体験や回想が中心だった。編集委員長を務める永野和代副会長(74)=山口市矢原=は「被爆者世代が発行に関わるのはこれが最後になるだろう。今後は被爆2~4世たちで続けてほしい」と期待する。300部を制作し、市内の関係機関や小中学校などに配る。(佐藤正明)

(2018年6月15日朝刊掲載)

年別アーカイブ