すずの暮らしへタイムスリップ 南区で14日から「この世界-」展
18年4月12日
ラジオ・もんぺ・ノリ養殖道具…
戦時下の呉、広島両市を舞台にした漫画「この世界の片隅に」に描かれている当時の暮らしを紹介する企画展が14日、広島市南区の市郷土資料館で始まる。漫画に出てくる生活用品などの実物を並べ、主人公すずの実家が営むノリ養殖の当時の様子などをパネルで紹介する。
漫画は、西区出身の漫画家こうの史代さんの作品。広島市から呉市に嫁ぐすずを通し、終戦直後まで懸命に生きる人々の暮らしが描かれている。
企画展では、終戦を知らせる玉音放送を聞く場面に登場するラジオや千人針、もんぺ、江波地区ですずの実家が営んでいたノリ養殖の当時の木製道具など、同資料館の所蔵品を中心に約330点を展示する。
また、約140枚のパネルを使い、ノリ養殖の当時の様子や現在は平和記念公園になっている旧中島本町の街並み、当時の暮らしぶりなどを漫画や写真を添えて紹介する。こうのさんの初のエッセー「平凡倶楽部」の原画も、3回に分けて初公開する。
企画展は7月8日までで、入館料は大人100円、高校生や65歳以上50円、中学生以下無料。学芸員の正連山(しょうれんざん)恵さん(38)は「漫画のファンはもちろん、幅広い世代に当時の広島の暮らしぶりなどを見てもらえたら」と話す。(藤田龍治)
(2018年4月12日朝刊掲載)