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核の問題 3・11に考えよう 被爆体験伝承者の女性グループ 広島市西区で上映会

 広島の被爆体験伝承者でつくる女性グループが3月11日午前10時半から、核について問う映画の上映会を広島市西区の古田公民館で開く。東日本大震災から6年になるのに合わせて初めて企画。原爆や原発事故についてあらためて考えてもらうきっかけにする。

 市が養成する伝承者たち5人でつくる「被爆体験を継承する会」。言葉以外の手段で被爆の実情を継承する必要を感じ、2015年から原爆を題材にした映画の自主上映会を市内で開いてきた。

 上映するのは、原爆被害や福島第1原発の事故を通じ、核時代に疑問を投げ掛ける記録映画「太陽が落ちた日」。スイスの映像作家アヤ・ドメーニグさんが制作した。原爆投下直後から被爆者を治療したドメーニグさんの祖父で医師の土井茂さん(1991年に死去)の足跡を追っている。

 船津晶子代表(59)=西区=は「原爆も原発も、目に見えない放射線被害という点で根っこは同じ。被爆地にはフクシマを語り継ぐ使命がある」と話す。

 母親の目線から、子どもを核の被害に遭わせてはいけないと、子育て世代が多く住む古田地区での上映を決めた。上映後に意見交換会も予定する。

 原発事故が題材のアニメ「無念」の上映や、紙芝居「見えない雲の下で」の上演もある。無料で先着50人。申し込みは古田公民館Tel082(272)9001。(栾暁雨)

(2017年2月23日朝刊掲載)

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