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島根県西部 米軍機騒音 薗浦外務副大臣 初の地元説明 相次ぐ低空飛行訓練

 島根県西部での米軍機の低空飛行訓練を巡り、薗浦健太郎外務副大臣は30日、県庁で溝口善兵衛知事に国の対応などを説明した。県によると、外務省側が地元説明に訪れるのは初めて。浜田市役所でも外務、防衛両省の担当者が西部5市町でつくる米軍機騒音等対策協議会と意見交換した。(秋吉正哉、森田晃司)

 薗浦副大臣は、低空飛行による騒音について「大変深刻な問題。地元の要望を踏まえ、影響を最小限にとどめるよう米軍に申し入れている」と説明。溝口知事は「住民に過度な負担を掛けないよう、政府として言っていただきたい」と訴えた。

 終了後、溝口知事は「政府の対応も一歩進んだと思う。住民の被害が減るよう働き掛ける」とした。

 県によると昨年、県などが設置した騒音測定器12カ所で、騒がしい街頭に相当する70デシベル以上を観測したのは840回。浜田、益田、江津市、川本、邑南町でつくる同協議会と県は、10月に外務、防衛省へ中止を要請するなど、これまで要望活動を重ねている。

 浜田市役所には両省の担当者6人が訪問。協議会の5市町の首長らと意見交換した。協議会側は、邑南町、益田市匹見町、江津市桜江町で昨年、騒音の観測回数が増えたことを報告。小学校の授業が中断するなど苦情が相次いでいる現状を伝えた。

 会合後、協議会の会長を務める浜田市の久保田章市市長は「現地の生の声を伝えられた意義は大きい。低空飛行を中止するよう、国に引き続き強く要望したい」と話した。

(2017年1月31日朝刊掲載)

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