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加藤友三郎 呉に研究会 広島出身の首相・呉鎮守府司令長官 

28日発足「功績を次代に」

 広島市出身の第21代総理大臣で呉鎮守府司令長官も務めた加藤友三郎(1861~1923年)の研究会が28日、呉市で発足する。経営者や研究者たちが功績を学び、次代に伝える。(見田崇志)

 発起人12人、賛同人10人に、県内外の経営者や大学教授たちが名を連ねる。計画では、研究会は研究者を招いての勉強会を計画。当時の日米関係などをテーマにした懸賞論文の募集や銅像の建立なども検討する。

 研究会の設立は、大之木ダイモ(呉市)の大之木小兵衛社長が発案して呼び掛けた。加藤のやしゃごである健太郎さん(44)=東京都杉並区=が2013年、遺品を海上自衛隊第1術科学校(江田島市)に寄贈した際に知り合い、加藤への関心が高まったのがきっかけという。

 大之木社長は「海軍軍人でありながら、軍縮を断行した。軍益よりも、大局的な国益を優先した現実主義的な視点は、今の日本にも求められる」と説明する。

 発起会は28日午後6時半から、クレイトンベイホテルである。講師として健太郎さんも訪れ、加藤の歩みと人柄を紹介する。

 大之木社長は「呉市は旧軍港都市として日本遺産に選ばれた。歴史への関心が高まる中、多くの人と学びあい、次代のリーダー育成を目指したい」と話している。発起会への参加希望者は同社に電子メールで申し込む。Tel0823(21)1411。アドレスはshimokane@daimo.jp

加藤友三郎
 現在の広島市中区に生まれ、1909~13年に呉鎮守府司令長官を務めた。海軍大臣だった21、22年、ワシントンでの軍縮会議に首席全権として出席、軍備制限を受け入れた。22年の総理大臣就任後、シベリア撤兵や海軍の人員削減もした。大腸がんのため、在任中の23年に死去した。

(2016年10月7日朝刊掲載)

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