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「ゲン」を世界へ 誓い新た 翻訳者が広島で交流会

 漫画「はだしのゲン」を翻訳し、世界に広める活動をしている広島県内外の25人が18日、広島市中区に集い、初の交流会を開いた。翻訳の苦労や工夫を語り合い、連携を約束した。

 ロシア語版と英語版を手掛けた金沢市の市民団体「プロジェクト・ゲン」が企画。中国語、ベトナム語など全8言語の翻訳者や編集者が参加し、原作者の故中沢啓治さんの妻ミサヨさん(73)=中区=を招いた。

 参加者は、日本特有の擬音語や方言を、各言語にどう置き換えたかなどを紹介。「何とか全巻を刊行したい」「原爆の悲惨さを伝える大切な資料。多くの人に伝えよう」と励まし合った。「映画の吹き替え版をつくれないか」との提案も出た。

 ミサヨさんはあいさつで「ゲンが世界に羽ばたいてくれるのを夫は心から喜んでいた」と感謝。プロジェクト・ゲンの浅妻南海江(なみえ)代表(73)は「反核の志を持つ人たちと交流し、励まされた。けなげなゲンの姿をこれからも広げたい」と話した。(田中美千子)

(2016年2月19日朝刊掲載)

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