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米退役軍人 核廃絶へ決意 広島の平和公園を初訪問 「あらゆる人が来るべき」

 米国の「平和を願う退役軍人の会」のバリー・レイデンドーフ会長(73)=カリフォルニア州=が27日、広島市東区出身の被爆2世美甘(みかも)章子さん(54)=同=らの案内で中区の平和記念公園を初めて訪れた。同会の8月の平和集会で美甘さんが家族の被爆体験を講演し、交流が生まれたのがきっかけ。核兵器の非人道性を伝える決意を新たにした。(水川恭輔)

 レイデンドーフ会長は米海軍で1960年代後半の約5年間、ベトナム戦争や核兵器の検査に関わる任務に従事。退役後、法務官を経て、核兵器と戦争の廃絶を目指す同会(85年設立、約1万人)に加わり、2011年から会長を務めている。

 この日、原爆資料館を増田典之副館長の案内で見学。壊滅した市中心部の模型の前で美甘さんから父の進示さん(89)=東区=の被爆状況を聞いた。その後、原爆慰霊碑に花を手向けた。

 市役所で記者会見したレイデンドーフ会長は「非人道的な破壊に胸が張り裂けそうだ」と強調。米国の退役軍人らには原爆投下を正当化する声が多いと認め、「指導者も含め世界のあらゆる人が広島に来るべきだ」と訴えた。同席した美甘さんも「一緒に核兵器は絶対悪だと伝えたい」と応じた。

(2015年11月28日朝刊掲載)

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