核廃絶「多くの国賛同」 広島でシンポ ICJ元裁判長が強調
15年7月27日
広島市中区で25日、「核兵器廃絶への道」をテーマにした国際シンポジウムがあった。国際司法裁判所(ICJ)が1996年に「核使用は一般的に国際法違反」とする勧告的意見を示した際の裁判長、モハメド・ベジャウィ氏が講演した。「核兵器は独特の性質を持ち、国際法と相いれない」と強調。非人道性に焦点を当てて廃絶を目指す国際社会の動きに理解を示した。
ベジャウィ氏は「人類は『悪魔の兵器』をなくせるか」と題して語った。「被爆は、残虐で歴史上類のない惨状だ」と指摘。勧告的意見の経緯に触れた上で、「非人道性の観点で核軍縮を進める動きに多くの国が賛同している」と述べた。
シンポは広島市などが主催し約300人が訪れた。同市佐伯区出身の元陸上選手で被爆3世の為末大さん(37)も講演し、廃絶へ「世代を超えて対話を重ね、それぞれが考えを深めよう」と期待。米国で先月開かれた原爆展で被爆体験を語った山本定男さん(84)=東区=は「被爆の実態がいかに非人道的か、米国ではまだ理解されていない」と訴えた。ベジャウィ氏や研究者、作家たち5人によるパネル討論もあった。(山本洋子)
(2015年7月26日朝刊掲載)
ベジャウィ氏は「人類は『悪魔の兵器』をなくせるか」と題して語った。「被爆は、残虐で歴史上類のない惨状だ」と指摘。勧告的意見の経緯に触れた上で、「非人道性の観点で核軍縮を進める動きに多くの国が賛同している」と述べた。
シンポは広島市などが主催し約300人が訪れた。同市佐伯区出身の元陸上選手で被爆3世の為末大さん(37)も講演し、廃絶へ「世代を超えて対話を重ね、それぞれが考えを深めよう」と期待。米国で先月開かれた原爆展で被爆体験を語った山本定男さん(84)=東区=は「被爆の実態がいかに非人道的か、米国ではまだ理解されていない」と訴えた。ベジャウィ氏や研究者、作家たち5人によるパネル討論もあった。(山本洋子)
(2015年7月26日朝刊掲載)