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平和公園 ドローン禁止 官邸事件受け広島市決定 「迷惑行為」に該当

 首相官邸屋上で小型無人機「ドローン」が見つかった事件を受け、広島市は28日、平和記念公園(中区)での飛行禁止を決めたことを明らかにした。鎮魂の場で飛ばすのは、市公園条例で定める「迷惑行為の禁止」などに当たると解釈した。(和多正憲)

 市緑政課によると、世界遺産の原爆ドームがあり、観光客も多く訪れる平和記念公園内の飛行は、条例で禁じる「利用者に迷惑を及ぼす行為」「公園管理に支障がある行為」に当たると判断。この日、禁止を知らせる紙を園内に貼り始めた。ドローンの使用が確認されれば、管理者たちを通じて注意し、違反者には条例に基づいて5万円以下の過料を科せる。ただ調査目的など、市長が認める例外もあるという。

 市は、4月に官邸での事件発生後、ドローンが原爆ドームの上部に接近したり、原爆の日に営む平和記念式典の最中に上空を飛んだりする事態を懸念し、規制方法を検討していた。松井一実市長は、この日の記者会見で「平和記念公園は観光地と祈りの場という点で(他の公園よりも)制約が強く掛かる」と理解を求めた。一方、条例の対象となる他の1187カ所の公園は、規模や利用状況を勘案して個別に対応する考えを示した。

 中国地方では現在、山口、岡山、島根、鳥取の4県が、県管理の公園や、鳥取砂丘での使用を禁止。広島県は「国の規制状況を見ながら、公園でのドローン使用に関するマニュアル作りを検討したい」としている。

ドローン
 無線や衛星利用測位システム(GPS)を使い、遠隔操作する小型の無人飛行機。家電量販店などで数千円から十数万円で購入できる。空撮用カメラを搭載し、災害現場での被災状況の確認など幅広い活用ができる一方、4月22日には首相官邸屋上で機体が見つかり社会問題化した。現在は低空を飛ぶ機体を規制する法律がなく、自民党は官邸や皇居などで飛行範囲を制限する法規制を検討している。

(2015年5月29日朝刊掲載)

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