「核禁止の必要 表面化」 NPT会議 広島市長、法規制求める
15年5月29日
広島市の松井一実市長は28日の記者会見で、最終文書を採択できないまま22日に閉幕した核拡散防止条約(NPT)再検討会議について「核兵器禁止の必要性を多くの国が認識していることが表面化した」と述べ、引き続き、法規制をめぐる議論を後押しする姿勢を強調した。
米ニューヨークの国連本部であった5年に1度の再検討会議では、核軍縮義務を全うするため、法規制を含めた措置を特定する作業部会を9月に始まる国連総会に設けるよう勧告する文言が最終文書案に盛り込まれた。松井市長はこれを踏まえ「流れを加速させることが必要だ」と指摘。被爆地からも、核兵器禁止条約の交渉開始を求める声を強めたい考えを示した。
一方、核兵器を持たない国に核軍縮を迫られ、対立姿勢を先鋭化させた核兵器保有国を念頭に「地球全体を考えず、個別の争いに勝つための思考を強めている」と問題視。米国の「核の傘」に安全保障を頼る日本政府にも「核軍縮、不拡散が徹底できない中、傘の外に出るのに戸惑いがあるのだろうが、ヒロシマの思いに沿った動きをもっとできる可能性もあると思う」と注文した。(田中美千子)
(2015年5月29日朝刊掲載)
米ニューヨークの国連本部であった5年に1度の再検討会議では、核軍縮義務を全うするため、法規制を含めた措置を特定する作業部会を9月に始まる国連総会に設けるよう勧告する文言が最終文書案に盛り込まれた。松井市長はこれを踏まえ「流れを加速させることが必要だ」と指摘。被爆地からも、核兵器禁止条約の交渉開始を求める声を強めたい考えを示した。
一方、核兵器を持たない国に核軍縮を迫られ、対立姿勢を先鋭化させた核兵器保有国を念頭に「地球全体を考えず、個別の争いに勝つための思考を強めている」と問題視。米国の「核の傘」に安全保障を頼る日本政府にも「核軍縮、不拡散が徹底できない中、傘の外に出るのに戸惑いがあるのだろうが、ヒロシマの思いに沿った動きをもっとできる可能性もあると思う」と注文した。(田中美千子)
(2015年5月29日朝刊掲載)