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胎内被爆者がシンポ 広島で8月 6人講演 体験集も

 原爆投下時に母親のおなかの中にいた胎内被爆者たちでつくる「原爆胎内被爆者全国連絡会」が26日、広島市中区で会合を開き、被爆70年に合わせた活動内容を決めた。8月に中区で初のシンポジウムを開き、会員の体験集も発行する。

 シンポは8月5日午後4時から、中区の市男女共同参画推進センター(ゆいぽーと)で開催。連絡会の呼び掛け人の1人で、香川県原爆被害者の会会長の好井敏彦さん(69)=坂出市=たち会員6人がそれぞれ、家族の被爆体験や戦後の苦楽を語る。体験集には会員20人の手記を収め、全国の図書館や被爆者団体などに約200部を配る予定。

 連絡会は昨年8月5日、胎内被爆者の交流を進めようと約20人で発足。これまでに広島など10都県の男女約40人に、輪が広がっている。1945年4月1日以後に生まれた被爆者も参加しているという。

 会合後、会員15人が市役所で記者会見。好井さんは「海外では胎内被爆者の認知度はゼロに近い。国際社会にも積極的にアピールしたい」と強調。事務局を務める原爆被害者相談員の会代表の三村正弘さん(69)=西区=は「今後は長崎市の胎内被爆者とも連携を深めたい」と話した。(和多正憲)

(2015年5月27日朝刊掲載)

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