×

ニュース

水中調査 政府に提言へ 大和議連、武蔵も研究

 広島県呉市で建造し、東シナ海で沈んだ戦艦大和を「産業遺産」と位置付け、引き揚げを検討する自民党有志国会議員による議員連盟が26日発足し、国会内で初会合を開いた。戦後70年を機に、水中調査や引き揚げへの支援を求める提言を6月にもまとめ、政府に提出する方針を確認した。2016年度予算への反映を目指す。

 議連には若手13人が参加。会合では大和ミュージアム(呉市)の戸高一成館長が講演し「大和の現状を調査することは日本の技術力や平和について考えることにつながる」と話した。

 来賓の呉商工会議所の奥原征一郎名誉会頭は「海底に沈む大和の映像を撮り、広く国民に見ていただきたい」と述べ、まずは水中調査を求めた。

 フィリピン沖で沈没した姉妹艦の武蔵の研究を進めることも確認。議連の名称を「海底の戦艦『大和』『武蔵』調査研究会」とすることを決めた。

 議連は中川俊直氏(広島4区)が呼び掛け、中国地方では小林史明氏(同7区)新谷正義氏(比例中国)が参加。このほか奈良県や神奈川県などの議員が名を連ねた。

 中川氏は会合後、「引き揚げに対し、賛成の声の一方で遺族の中に慎重な意見もあると伺っている。ただ、不戦の誓いを新たにする意義もある。多くの意見を大切にして活動したい」と述べた。(清水大慈)

(2015年5月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ