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虐殺の歴史 写真で紹介 欧州訪問 時盛さん、県立広島大で報告

 ホロコーストについて学ぶ欧州スタディーツアーに参加した県立広島大2年、時盛郁子(ふみこ)さん(19)の報告会が、広島市南区の同大で開かれた。

 全欧州からユダヤ人を乗せた家畜用の貨車が往来した引き入み線、「中に入ると体感温度が下がった」というガス室、犠牲者が履いていた大量の靴―。アウシュビッツ強制収容所跡(ポーランド)に残る「無言の証言者」を写真で紹介しながら説明していった。

 アンネ・フランクの隠れ家(オランダ)については「中は息が詰まるよう」と話し、年頃の少女が日記に感情をぶつけざるを得なかった背景に思いを巡らせた。

 歴史を学ぶ一方、平和を目指す現地の高校生たちとの意見交換や、同収容所跡のあるオシフィエンチム市の市長へのインタビューで若者の役割も考えた。「現地を見てこそ感じるものが多くあった。いま戦争が起きるとどうなるか。想像することで防ぐことができる」と力を込めた。

 報告会には中村健一学長や学生たち約50人が集まった。3年吉清史香さん(20)は「悲惨さが伝わるリアリティーのある報告だった。戦争で加害者になった日本の歴史も学びたい」と話していた。(山本祐司)

(2015年5月25日朝刊掲載)

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