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被爆70年の夏 広響と協演へ 広島・東京 希代のピアニスト・アルゲリッチ 原爆投下 最も恐ろしい犯罪

 世界最高峰のピアニスト、マルタ・アルゲリッチが8月、広島交響楽団の演奏会に初出演することが決まった。被爆70年に広島と東京で開く「平和の夕べ」コンサート。原爆投下を「第2次世界大戦で私たちが目撃した最も恐ろしい犯罪」と表現する希代の演奏家が、平和へのあふれる思いを胸にステージに立つ。

 「音楽には人を傷つける力をなえさせる力が宿っている」と強く信じ、「Music Against Crime」をコンセプトに演奏活動を展開してきたアルゲリッチ。不屈の作曲家ベートーベンのピアノ協奏曲第1番に、自らの信念を乗せる。

 被爆地への特別な感情はコメントににじむ。原爆投下とホロコーストを、第2次世界大戦の最大の犯罪に挙げ「争いごとの解決のために核兵器を使用する犯罪と、人種差別と自民族中心主義を利用した犯罪は二度と起こしてはならない」と指摘。そんな過ちをなくすため「広島が今まで以上に重要な役割を果たすと信じている」と期待を寄せる。

 コンサートは8月5日午後6時45分から広島市中区の広島文化学園HBGホールと、11日午後7時から東京のサントリーホールで開く。指揮は広響音楽監督・常任指揮者の秋山和慶。ベートーベンの劇音楽「エグモント」序曲とヒンデミットの交響曲「世界の調和」を組み合わせる。

 広島公演はS6500円(ペア1万1700円)、A5500円、B4500円、学生1500円。東京公演はS1万5千円、A1万3千円、B1万1千円、C8千円。6月7日発売。広響事務局Tel082(532)3080。(余村泰樹)

(2015年5月19日朝刊掲載)

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