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大虐殺「事実の継承を」 欧州スタディーツアー 大津さん広島経済大で報告

 ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を学ぶ欧州スタディーツアー(主催・公益財団法人ヒロシマ平和創造基金)に参加した広島経済大4年、大津元貴さん(21)の報告会が18日、広島市安佐南区の同大であった。大学生による学内報告会のトップ。残り4大学でも順次開かれる予定。

 大津さんはスライドを使って約40分間説明。「絶滅収容所」として機能したポーランドのアウシュビッツ強制収容所について「AR(アル)BEIT(バイト) MACHT(マハト) FREI(フライ)(働けば自由になる)」と書かれた正門の写真を見せ、「なんて残酷なうそなのだろう。恐ろしかった」と現地で抱いた感想を交えた。

 収容所跡に展示された大量の犠牲者の靴や顔写真、破壊されたガス室なども紹介。「実際に見ることで目の前の光景が事実なのだと感じた」と力を込めた。オランダのアンネ・フランクの隠れ家で学んだ彼女の短い生涯も説明。「正しい歴史認識を持ち、悲しい事実を継承することが大切だ」と呼び掛けた。

 会には学生や教職員、留学生約30人が参加。4年今原佳南さん(21)は「同じ人間のしたことと思うと胸が痛む」と聞き入っていた。

 ツアーでは、中国新聞ジュニアライターの高校生と、広島県内の大学生計8人が3月下旬に欧州2カ国を訪れた。全体の報告会「ヒロシマとホロコースト」は31日午後1時から広島国際会議場(中区)で開かれる。(山本祐司)

(2015年5月19日朝刊掲載)

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