×

ニュース

被爆者や学生 核廃絶を訴え NPT会議の国連本部で

 NPT再検討会議が開かれている米ニューヨークの国連本部で7日、広島、長崎の被爆者や大学生が相次いで催しを開き、各国政府やNGOの関係者へ核兵器廃絶に向けた被爆地の思いを発信した。(ニューヨーク発 田中美千子)

 長崎県や長崎市、長崎大でつくる協議会に派遣された「ナガサキ・ユース代表団」は核兵器廃絶の道筋を探った。大学生12人が具体的な3テーマで発表した。

 若者の平和活動に関して、広島市西区出身で元中国新聞ジュニアライターの長崎大3年、西田千紗さん(20)が「今の平和教育は世界の核情勢に触れず、若者には自分の問題と捉えにくい。政府が決める話で自分には無関係、と思いがちだ」と問題提起。欧米の学生たちに意見を求め、平和教育の在り方や、同世代に関心を広げる方策を話し合った。ほかに平和教育や日本の核政策も取り上げた。

 一方、日米の平和団体が開いた「被爆者の声を伝える―核戦争の非人道的影響」には約50人が参加。現在の広島市東区で被爆したサーロー節子さん(83)=カナダ・トロント市=は「核兵器がある限り、人間の安全保障などあり得えない」と廃絶を訴えた。原爆投下時のトルーマン米大統領の孫クリフトン・トルーマン・ダニエルさん(57)=シカゴ市=は、被爆から10年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さんが回復を願って鶴を折った話に言及。親交がある遺族から1羽を譲り受け、11月にトルーマン大統領図書館(ミズーリ州)に展示する計画も紹介した。

(2015年5月9日朝刊掲載)

年別アーカイブ