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ハーシー氏への手紙本社に 故山本前会長 85年に送る 孫キャノンさんが写し持参

 被爆の惨状を世界に伝えたルポ「ヒロシマ」(1946年)の著者、故ジョン・ハーシー氏に宛てた中国新聞社の故山本朗・前会長の85年の私信の写しが6日、同社へ寄せられた。海外の地方紙記者を広島に招く広島国際文化財団の「アキバ・プロジェクト」選考委員を務めたハーシー氏に謝意を伝える内容。来日中の孫のキャノンさん(37)=米ニューヨーク=が山本治朗会長に手渡した。

 手紙は85年10月16日付で当時社長だった朗氏のサイン入り。プロジェクト参加記者の活動を追うなどした中国新聞の「ヒロシマ40年報道」が日本新聞協会賞を受けた喜びと協力に対する感謝の気持ちを記した。同年、広島を再訪したハーシー氏がまとめ、朝刊に転載した「ヒロシマその後」の反響の大きさも伝えている。

 アーティストで米国の反核団体に所属するキャノンさんが昨秋、コネティカット州にあるハーシー氏の母校、エール大の図書館で見つけたという。この日、中区の本社を訪れ、「家族の歴史を共有し、希望の未来を共に築きたい」と、写しを寄せた。山本会長は「確かに父のサインだ」と懐かしみ、85年にハーシー氏が来社した際の写真を返礼に贈った。(田中美千子)

(2015年4月7日朝刊掲載)

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