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被爆70年に記憶継承を 「雉」三篠俳句会「ひろしまの祈り」発行 不戦への思い 手記・句に

 俳句結社「雉(きじ)」に所属して三篠公民館(広島市西区)などで活動する三篠俳句会が、原爆や平和について詠んだ会員の句や被爆体験記を冊子「ひろしまの祈り」にして発行した。家族を原爆で亡くした会員も多く、被爆70年に合わせて思いを残そうと、全会員16人が寄稿した。(桜井邦彦)

 同会は、同市中区に発行所を置く「雉」の全国94句会の一つ。市内の60~80代の女性が毎月2回集い、句会や吟行を続けている。

 原爆についてほとんど語ってこなかったという児玉幸枝さん(83)=西区=も、つらい記憶をたどった。女学校1年のときに学徒動員され、爆心地から約2キロの楠木町(現西区)の軍需工場で被爆。建物の下敷きになった。助かった負い目をつづり、「被爆死した友人のお母さんに出会うたび、申し訳ない思いだった」と記した。

 同会は2002年発足。05年から毎年、8月6日の前に平和記念公園(中区)で吟行をしており、そこで会員が詠んだ句なども収録した。兄を原爆で亡くした鈴木厚子代表(70)=中区=は「表現はいろいろあるが、どの体験記や俳句からも、戦争はしてはいけないというメッセージが伝わってくる」と話す。

 冊子はA5判、228ページ。制作費は会員が出し合い300部印刷した。全国の同人に配布したほか、市内の図書館などに寄贈した。

(2015年3月20日朝刊掲載)

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